令和元年度 静岡厚生 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 86 41 76 100 172 174 332 511 522 194
令和元年度(平成31年4月1日~令和2年3月31日)に退院された症例のうち、厚生労働省が示す条件に該当する当院の退院症例は全診療科で2,208例あり、年齢階級別に見ると60歳以上の方が多く、全体の70.6%を占めています。

<厚生労働省が示す条件>
平成31年4月1日~令和2年3月31日までの退院症例のうち、一般病棟に1日以上入院していた症例。
※入院後24時間以内、または生後1週間以内に死亡した症例、医療保険以外の他保険(自費、自賠責保険、労災保険など)を併用する症例は集計に含まない。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 42 22.29 17.71 7.14 *83.24
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 40 29.05 20.84 20.00 *84.75
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2 なし 24 6.00 5.39 0.00 *54.46
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2 なし 24 20.42 18.84 4.17 *76.96
060190xx99x0xx 虚血性腸炎 手術なし 手術・処置等2 なし 22 10.36 8.86 4.55 *71.50
内科においては昨年度同様に肺炎治療が最も多くなっていますが、15歳以上の肺炎(誤嚥性肺炎を除く)については、診断群分類(DPCコード)が細分化されたため、当該集計の上位5位にはあがってきません。現行の診断群分類による集計では、心不全が最も多くなっています。誤嚥性肺炎では症状軽快後、嚥下機能低下を引き起こした原疾患や併存症の継続治療を要する高齢者が多く、転院率が20.00%となっていますが、転院先は療養病床となっています。消化器疾患の治療や間質性肺炎・肺癌の精査及び確定診断後の治療も多く扱っており、また膠原病、血管炎症性症候群などの精査・治療も増加傾向です。
※肺炎のデータに関しては「成人市中肺炎の重症度別患者数」もご参照ください。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 53 7.08 4.85 1.89 *71.87
090010xx02x0xx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 手術・処置等2 なし 19 11.53 6.10 0.00 67.63
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 19 12.11 8.89 0.00 *72.11
060150xx02xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴うもの等 16 9.06 9.79 0.00 44.63
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 15 8.40 7.13 0.00 59.73
外科において最も多いのは鼠径ヘルニアで、続いて乳房の悪性腫瘍、腸閉塞、急性虫垂炎、胆嚢炎・胆嚢結石症に対して手術・治療を行った症例となっています。外科については診断群分類のバリエーションが最も多いため、DPCコードで分類するとばらつきが多くなっており、最も多い鼠径ヘルニアでも外科症例のうち、8.55%となっております。上位5位にはあがってきませんが、大腸・胃・肺・肝・膵臓などの悪性腫瘍に対する症例も幅広く対応しています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 101 32.57 21.53 0.00 68.99
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 49 32.80 23.56 0.00 75.27
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 - - 25.94 - -
160800xx99xx0x 股関節・大腿近位の骨折 手術なし 定義副傷病 なし - - 14.43 - -
070470xx01x0xx 関節リウマチ 人工関節再置換術等 手術・処置等2 なし - - 23.09 - -
整形外科入院においては変形性関節症に対する人工関節置換術を多数行っており、手術目的で入院される変形性股関節症・変形性膝関節症、大腿骨近位部骨折の症例が多くなっています。大腿骨近位部骨折については一般病棟での治療後、回復期リハビリテーション病棟に転棟して重点的なリハビリテーションを実施している症例が数例あり、平均在院日数が長くなっています。なお、再置換症例のうち、人工関節のゆるみ・破損・脱臼等に分類される症例は、上記件数には含まれません(最終項の「その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)」をご参照ください)。
※厚生労働省の示す集計方法に従い、症例数が年間10例未満となる欄は「-」表示としています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 58 6.41 6.09 0.00 46.07
120220xx01xxxx 女性性器のポリープ 子宮全摘術等 33 3.00 2.90 0.00 44.21
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 12 6.83 6.21 0.00 49.17
120250xx97x0xx 生殖・月経周期に関連する病態 手術あり 手術・処置等2 なし 10 6.60 4.28 0.00 32.10
120090xx97xxxx 生殖器脱出症 手術あり 10 7.70 8.65 0.00 70.40
産婦人科においては子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、卵巣腫瘍などの良性腫瘍に対する腹腔鏡手術、子宮鏡手術が多いのが特徴です。また近年では卵管閉塞に対する卵管鏡下卵管形成術が注目され、入院も多くなっています。腹腔鏡下手術、子宮鏡下手術、卵管鏡下手術は日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医を中心に積極的に実施しており、静岡県内の公的病院の中でもトップクラスの症例数となっております。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2 なし 27 2.67 5.39 0.00 9.15
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2 なし - - 5.73 - -
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 5.69 - -
060150xx99xx0x 虫垂炎 手術なし 定義副傷病 なし - - 6.94 - -
040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 定義副傷病 なし - - 6.19 - -
重症感染症による入院が減少する中、小児科においては予防接種の普及により全体的に急性腸炎やそれに伴う高度の脱水症が最多であり、次いで肺炎、虫垂炎、急性気管支炎といずれも緊急入院の症例が多くなっています。子どもや家族の負担のバランスを考慮し、元気になったらできるだけ早めに退院させることを心掛けているため、平均在院日数の短縮に繋がっています。上位5位にはあがってきませんが、腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術・臍ヘルニア手術目的の症例、成長ホルモン分泌不全性低身長症や小児食物アレルギー検査目的の短期滞在の入院症例、市内眼科クリニックと提携した術前術後管理入院症例があることも特徴です。
※厚生労働省の示す集計方法に従い、症例数が年間10例未満となる欄は「-」表示としています。
リウマチ科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070470xx01x0xx 関節リウマチ 人工関節再置換術等 手術・処置等2 なし - - 23.09 - -
070470xx99x0xx 関節リウマチ 手術なし 手術・処置等2 なし - - 16.09 - -
070370xx99xxxx 脊椎骨粗鬆症 手術なし - - 20.74 - -
160690xx99xx0x 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 定義副傷病 なし - - 19.40 - -
070470xx02x0xx 関節リウマチ 筋肉内異物摘出術等 手術・処置等2 なし - - 19.23 - -
リウマチ科入院においては関節リウマチや変形性関節症に対する人工関節置換術を多数行っており、手術目的で入院される患者様の症例が多くなっています。なお、再置換症例のうち、人工関節のゆるみ・破損・脱臼等に分類される症例は、上記件数には含まれません(最終項の「その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)」をご参照ください)。静岡県中部地区のリウマチ・膠原病治療の中核施設として、最新の情報をもとに治療を行っています。
※厚生労働省の示す集計方法に従い、上位5位のいずれも症例数が年間10例未満のため「-」表示としています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2 なし 50 4.58 3.10 0.00 62.30
020320xx97xxxx 眼瞼、涙器、眼窩の疾患 手術あり - - 3.27 - -
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) その他の手術あり 手術・処置等1 なし - - 4.67 - -
- - - - - - -
- - - - - - -
皮膚科では専門外来の形成外科による眼瞼下垂症や眼瞼内反症、皮膚・皮下腫瘍の手術及び術後のフォローアップ症例です。
※厚生労働省の示す集計方法に従い、症例数が年間10例未満となる欄は「-」表示としています。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 21 5.00 5.45 0.00 37.76
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 - - 7.80 - -
030428xxxxxxxx 突発性難聴 - - 8.93 - -
030460xx97xxxx 中耳・乳様突起の障害 その他の手術あり - - 4.64 - -
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 - - 6.80 - -
耳鼻咽喉科入院では扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎などの急性炎症疾患、突発性難聴、めまいなどの前庭機能障害、耳鼻咽喉科領域の皮膚軟部組織細菌感染症(丹毒や頚部蜂巣炎)などにおいて外来治療では不十分な重症症例を入院治療しています。また、慢性扁桃炎や慢性副鼻腔炎、鼻中隔弯曲症、鼓膜穿孔に対する手術症例も扱っています。
※厚生労働省の示す集計方法に従い、症例数が年間10例未満となる欄は「-」表示としています。
リハビリテーション科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010030xx9900xx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし - - 7.25 - -
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 20.84 - -
060035xx99x00x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 7.46 - -
060130xx99000x 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 7.42 - -
160650xx97x0xx コンパートメント症候群 手術あり 手術・処置等2 なし - - 28.95 - -
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x0990001 脳梗塞(脳卒中発症4日目以降又は無症候性、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 - - 6.16 - -
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 8.89 - -
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 9.67 - -
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- - - - - - -
当院の脳神経外科入院の内訳は、JCS10未満の脳梗塞と手術治療の必要な慢性硬膜下血腫です。脳梗塞症例では、一般病床での急性期治療後に継続して回復期病棟でリハビリテーションを実施しています。当科では、急性期治療はもちろんのこと、慢性期の再発予防や危険因子を持った方の再発予防にも目を向け診療を行っており、入院中に自宅退院支援計画を検討し実行しています。
腸閉塞は脳神経外科入院中に外科へ転科して治療を行った症例が、主科となる脳神経外科に集計されたものです。
※JCS(Japan Coma Scale)とは、日本で主に使用される意識障害の深度(意識レベル)分類です。
※厚生労働省の示す集計方法に従い、症例数が年間10例未満となる欄は「-」表示としています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 - - - - 1 8
大腸癌 - 17 - - - - 1 8,7
乳癌 11 10 - - 1 8
肺癌 - - 11 15 - - 1 8,7
肝癌 - - - - - - 1 8,7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
わが国で、現在、最も罹患数の多い5つのがん(胃癌・大腸癌・乳癌・肺癌・肝癌)の症例数を、診断時(治療開始前)の病期(ステージ)ごとに集計したものです。①がんの大きさや進展度(広がり)、②所属リンパ節への転移状況、③遠隔転移の有無の3つの要素によって病期(ステージⅠ~Ⅳ)が決定します。病期(ステージ)は数字が大きいほど「進行しているがん」であると表されます。
病期(ステージ)が不明の症例には、上記の①~③に一つでも不明な項目がある症例を表し、病期(ステージ)を明らかにするための検査入院の症例も含まれています。
※UICC TNM分類とは、UICC(国際対がん連合)によって定められた国際的に使用されているがんの病期を分類するための基準です。
※厚生労働省の示す集計方法に従い、症例数が年間10例未満となる欄は「-」表示としています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 13 6.69 45.85
中等症 71 12.39 *79.61
重症 32 25.09 *83.09
超重症 - - -
不明 - - -
市中肺炎とは普段の社会生活を送っている中で罹患した肺炎のことを言います。当院では「中等症」の症例が最も多く全体の58.68%を占めていますが、年齢が高くなるほど重症度も高くなる傾向にあり、平均在院日数も長くなっています(誤嚥性肺炎やインフルエンザウィルスなどによるウイルス性肺炎の患者様はこの指標の対象疾患には含まれていません)。また、リウマチ科があるため、免疫抑制患者・抗癌剤使用患者の日和見感染も増えています。
※厚生労働省の示す集計方法に従い、症例数が年間10例未満となる欄は「-」表示としています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 31 48.23 *79.26 20.00
その他 - - - -
脳梗塞の症例について発症日からの日数、患者数、平均在院日数等を示したものです。
当院では回復期リハビリテーション病棟を有しており、脳梗塞急性期治療後の回復期ハビリテーションにも一貫して対応したのち退院している結果、平均在院日数が長くなっています。また、他院へ転院した割合は20.00%です。これからも、地域の医療機関との連携を密接にし、地域の皆様により密着した医療を目指します。
※厚生労働省の示す集計方法に従い、症例数が年間10例未満となる欄は「-」表示としています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 36 1.17 4.36 0.00 69.47
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 28 2.43 5.82 0.00 58.29
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) 19 1.00 9.53 0.00 67.63
K6335 鼠径ヘルニア手術 18 1.11 5.83 5.56 *73.28
K7435 痔核手術(根治手術(硬化療法)を伴う) 16 2.13 9.19 0.00 74.06
外科において手術症例は400例ある中で、手術症例数が最も多い腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側)でも36例と全体の9.00%となっており、取り扱う症例が多岐にわたっていることが窺えます。続いて全体症例では胆嚢炎・胆嚢結石症に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術、乳腺の悪性腫瘍に対する手術が上位に集計されます。術式によってKコードが細分化されてしまうため今回の集計(上位5位)には反映されていませんが、胃・大腸・肺・肝胆膵領域の悪性腫瘍手術も行っています。
※Kコードとは医科診療報酬点数表で定められた手術のコードで、このコードに基づいて保険請求が行われます。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(股) 等 154 2.36 29.33 0.00 71.13
K082-31 人工関節再置換術(股) 等 - - - - -
K0811 人工骨頭挿入術(股) - - - - -
K060-31 化膿性又は結核性関節炎掻爬術(膝) 等 - - - - -
K0482 骨内異物(挿入物を含む)除去術(大腿) 等 - - - - -
当院の整形外科における手術症例は184例あり、変形性関節症に対する股関節の人工関節置換術が最も多く、手術症例の83.70%を占めています。次いで人工関節再置換術(股)、人工骨頭挿入術(股)となっていますが、いずれも10例未満です。当院では人工関節置換術後についてはリハビリテーション部門と密に連絡を取りつつ、個々の患者様にとって安全で効果的なリハビリテーションを院内で一貫して行っていますので、転院率は0%、術後の在院日数も長くなっています。股関節と膝関節の人工関節置換術については、現在の新しい手技、インプラントなどを適宜導入し、より質の高い手術を行っています。
※厚生労働省の示す集計方法に従い、症例数が年間10例未満となる欄は「-」表示としています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 43 1.07 5.91 0.00 52.14
K872-3 子宮内膜ポリープ切除術 等 34 0.68 1.41 0.00 44.03
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 26 0.88 5.35 0.00 43.35
K873 子宮鏡下子宮筋腫摘出術 20 0.90 1.65 0.00 42.95
K890-2 卵管鏡下卵管形成術 - - - - -
当院の産婦人科における手術症例は177例でした。腹腔鏡下腟式子宮全摘術を筆頭に内視鏡手術(腹腔鏡手術86例、子宮鏡手術69例、卵管鏡手術9例)が92.65%と多くを占めており、内視鏡手術を主軸とした診療を行っているのが特徴です。
※厚生労働省の示す集計方法に従い、症例数が年間10例未満となる欄は「-」表示としています。
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸粘膜切除術(長径2cm未満) 等 28 2.43 2.39 0.00 *76.04
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 - - - - -
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - - - - -
K6872 内視鏡的乳頭切開術(胆道砕石術を伴う) - - - - -
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - -
当院の内科における手術症例では大腸ポリープや大腸腫瘍に対する内視鏡的大腸粘膜切除術が最も多くなっています。次いで内視鏡的消化管止血術、内視鏡下胃瘻造設術が上位に集計されます。この他、肝細胞癌に対する肝動脈塞栓術・選択的動脈化学塞栓術、胆道疾患に対する内視鏡的ステント留置術、経皮的冠動脈ステント留置術なども実施していますが、いずれも10例未満となっています。
※厚生労働省の示す集計方法に従い、症例数が年間10例未満となる欄は「-」表示としています。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) 49 0.29 3.33 0.00 62.22
K2192 眼瞼下垂症手術(筋膜移植法) - - - - -
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満) - - - - -
K2172 眼瞼内反症手術(皮膚切開法) - - - - -
- - - - - - -
皮膚科の手術症例は専門外来の形成外科からの眼瞼下垂症手術・眼瞼内反症手術および皮膚、皮下腫瘍摘出術で、これらの手術は基本的に外来手術で行っていますが、高齢者や術後の看護ケアが必要な症例に対しては入院手術も行っております。
※厚生労働省の示す集計方法に従い、症例数が年間10例未満となる欄は「-」表示としています。
リウマチ科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(膝) 等 13 3.62 40.31 0.00 68.54
K0803 関節形成手術(指) - - - - -
K110-2 第一足指外反症矯正手術 - - - - -
K0461 骨折観血的手術(大腿) - - - - -
K0842 四肢切断術(指) - - - - -
リウマチ科における手術症例は26例あり、変形性関節症に対する膝関節の人工関節置換術が最も多く、手術症例の50%を占めています。次いで関節形成手術(指)、第一足指外反症矯正手術なっています。当院では人工関節置換術後についてはリハビリテーションまでを院内で一貫して行っていますので、転院率は0%、術後の在院日数も長くなっています。なお、角膜・強膜異物除去術は、リウマチ科入院中に他科で施行された手術になります。
※厚生労働省の示す集計方法に従い、症例数が年間10例未満となる欄は「-」表示としています。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) - - - - -
K318 鼓膜形成手術 - - - - -
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) - - - - -
K309 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 - - - - -
K300 鼓膜切開術 - - - - -
耳鼻咽喉科における入院での手術症例は18例ありますが、症例別に見るといずれも10例未満となっています。症例数の順であげると口蓋扁桃手術(摘出)、鼓膜形成手術、内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術)、鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術、鼓膜切開術、リンパ節摘出術(長径3cm未満)、鼓膜穿孔閉鎖術となっています。
※厚生労働省の示す集計方法に従い、上位5位のいずれも症例数が年間10例未満のため「-」表示としています。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2423 斜視手術(前転法と後転法) - - - - -
K2425 斜視手術(直筋の前後転法と斜筋手術) - - - - -
K245 眼球摘出及び組織又は義眼台充填術 - - - - -
K2683 緑内障手術(濾過手術) - - - - -
K6333 臍ヘルニア手術 - - - - -
小児科では他院の小児外科医、眼科専門医と連携し、手術症例が10例ありますが、症例別に見るといずれも10例未満となっています。当院では小児の腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術や臍ヘルニア手術は基本的に1日入院(日帰り)で行っています。また斜視手術、緑内障手術等の眼科領域の手術については、すべて市内眼科クリニックと提携した術前術後管理入院症例であり、手術自体は市内眼科クリニックで施行されたものです。
※厚生労働省の示す集計方法に従い、上位5位のいずれも症例数が年間10例未満のため「-」表示としています。
リハビリテーション科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - - - - -
K7435 痔核手術(根治手術(硬化療法)を伴う) - - - - -
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脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 - - - - -
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脳神経外科の慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術は、慢性硬膜下血腫に対して頭蓋内血腫を洗浄除去する手術です。慢性硬膜下血腫は高齢の患者様の割合が高く、頭部外傷によるものが多いため、転倒リスクの高い患者様が治療後に再発されることも少なくありません。
※厚生労働省の示す集計方法に従い、症例数が年間10例未満となる欄は「-」表示としています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる 17 0.77
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 28 1.27
異なる - -
臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして、播種性血管内凝固症候群、重篤な疾患である敗血症、その他の真菌症感染症および手術・処置等の合併症についての発症率を集計しています。
当院では人工関節置換術を多数行っており、手術・処置等の合併症の中には人工関節置換術後の経年による人工関節のゆるみや摩耗・破損に対して再置換術を行った症例(うち他施設での置換術後症例、術後10年以上経過している症例が半数以上)が含まれています。また術後創部膿瘍、植込型カテーテルポートの破損・閉塞、処置後の出血、薬剤アレルギー、予防接種後の副反応などがこの項目に集計されており、ご紹介により治療を依頼された症例も含まれています。
※厚生労働省の示す集計方法に従い、症例数が年間10例未満となる欄は「-」表示としています。
更新履歴
2020.9.29
厚生労働省の示す集計方法に従い、令和元年度病院指標を公開しました。