令和6年度 静岡厚生 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 44 42 83 178 194 142 190 454 467 232
令和6年度(令和6年4月1日~令和7年3月31日)に退院された症例のうち、厚生労働省が示す条件に該当する当院の退院症例は全診療科で2,026例(前年比+223例)あり、年齢階級別に見ると60歳以上の方が多く、全体の66.3%(前年比+2.6%)を占めています。

<厚生労働省が示す条件>
令和6年4月1日~令和7年3月31日までの退院症例のうち、一般病棟に1日以上入院していた症例。
※入院後24時間以内、または生後1週間以内に死亡した症例、医療保険以外の他保険(自費、自賠責保険、労災保険など)を併用する症例は集計に含まない。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 72 18.83 16.40 5.56 *85.11
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 44 17.73 13.66 6.82 *81.70
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 37 15.57 20.78 8.11 *85.41
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2 なし 31 5.90 5.55 0.00 *48.55
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 27 28.15 17.33 7.41 *83.56
内科においては【肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2 なし】が最も多くなっていますが、当科の今年度症例数(760例)のうち9.5%となっていることから、幅の広い症例に対応していることが分かります。続いて、腎臓又は尿路の感染症、誤嚥性肺炎、ウイルス性腸炎となりますが、それ以外にも心不全・虚血性腸炎・小腸大腸の良性疾患・心不全・胆嚢炎・敗血症・肺の悪性腫瘍等、多く扱っております。

※肺炎のデータに関しては「成人市中肺炎の重症度別患者数」もご参照ください。
※DPC(Diagnosis Procedure Combination)とは、入院患者様の病名と処置(手術、検査等)や副傷病の有無等の組み合わせにより、厚生労働省が定める診断群分類を使って医療費の計算を行う制度です。DPCコード・名称はそれらの診断群分類を表しています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 143 6.32 5.88 0.00 43.48
120220xx01xxxx 女性性器のポリープ 子宮鏡下有茎粘膜下筋腫切出術、子宮内膜ポリープ切除術 90 3.00 2.72 0.00 41.93
120100xx01xxxx 子宮内膜症 子宮全摘術等 35 7.03 6.69 0.00 37.63
120090xx97xxxx 生殖器脱出症 手術あり 32 9.41 7.74 0.00 69.28
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 21 5.95 5.97 0.00 45.76
産婦人科においては例年同様、子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、卵巣腫瘍などの良性腫瘍に対する腹腔鏡手術、子宮鏡手術が多いのが特徴です。また卵管閉塞に対する卵管鏡下卵管形成術や子宮脱の固定術等の症例も増加傾向にあり入院も多くなっています。腹腔鏡下手術、子宮鏡下手術、卵管鏡下手術は日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医を中心に積極的に実施しており、静岡県内の公的病院の中でもトップクラスの症例数となっております。患者様それぞれの状況・疾患に適した治療を提供させていただいています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060241xx97xxxx 痔核 手術あり 17 10.82 5.38 0.00 66.71
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 14 6.86 5.32 0.00 36.50
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1 なし 12 10.83 9.77 0.00 62.67
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 10 10.70 4.54 10.00 71.40
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 10 40.70 13.66 0.00 *76.70
外科において最も多いのは痔核で、続いて虫垂炎、乳房の悪性腫瘍、鼠径ヘルニア等に対して手術・治療を行った症例となっています。外科については診断群分類のバリエーションが多いため、DPCコードで分類すると分散され、最も多い痔核でも外科症例のうち、4.6%となっております。上位5位にはあがってきませんが、大腸・胃・肺・肝・膵臓などの悪性腫瘍に対する症例も幅広く対応しています。
リウマチ科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 23 30.74 21.38 0.00 74.65
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 21 57.38 25.29 4.76 *84.24
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし - - 19.16 - -
070470xx01xxxx 関節リウマチ 人工関節再置換術等 - - 21.28 - -
070470xx02xxxx 関節リウマチ 筋肉内異物摘出術等 - - 18.46 - -
リウマチ科入院においては関節リウマチや変形性関節症に対する人工関節置換術を行っており、手術目的で入院される患者様の症例が多くなっています。また、大腿骨近位部骨折の症例も増加傾向にあります。
なお、再置換症例のうち、人工関節のゆるみ・破損・脱臼等に分類される症例は、上記件数には含まれません(最終項の「その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)」をご参照ください)。静岡県中部地区のリウマチ・膠原病治療の中核施設として、最新の情報をもとに治療を行っています。

※厚生労働省の示す集計方法に従い、症例数が年間10例未満となる欄は「-」表示としています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 67 23.97 18.76 0.00 68.99
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 36 29.31 21.38 0.00 75.58
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 - - 25.29 - -
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし - - 19.16 - -
071030xx99xxxx その他の筋骨格系・結合組織の疾患 手術なし - - 10.52 - -
整形外科入院においては変形性関節症に対する人工関節置換術を多数行っており、手術目的で入院される変形性股関節症・変形性膝関節症、大腿骨近位部骨折の症例が多くを占めています。大腿骨近位部骨折については一般病棟での治療後、回復期リハビリテーション病棟に転棟して重点的なリハビリテーションを実施している症例があり、平均在院日数が長くなっています。なお、再置換症例のうち、人工関節のゆるみ・破損・脱臼等に分類される症例は、上記件数には含まれません(最終項の「その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)」をご参照ください)。

※厚生労働省の示す集計方法に従い、症例数が年間10例未満となる欄は「-」表示としています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060xx99x40x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 12 29.50 16.89 0.00 *75.33
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 7.99 - -
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 9.83 - -
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし - - 4.67 - -
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 18.68 - -
脳神経外科については、令和6年9月より常勤医師2名体制となったことにより、以降の症例が増加しています。症例としては脳梗塞が上位となり、続いて頭蓋・頭蓋内損傷、前庭機能障害、非外傷性頭蓋内血種と続いています。脳血管疾患としては、回復期リハビリテーション病棟に転棟して重点的なリハビリテーションを実施する症例があり、平均在院日数が長くなっています。

※厚生労働省の示す集計方法に従い、症例数が年間10例未満となる欄は「-」表示としています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術・処置等2 なし 12 2.00 5.55 0.00 7.67
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 6.38 - -
100380xxxxxxxx 体液量減少症 - - 10.26 - -
020150xx97xxxx 斜視(外傷性・癒着性を除く。) 手術あり - - 3.08 - -
0400801199x0xx 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2 なし - - 5.61 - -
小児科においてはウイルス性腸炎が最も多く、次いで喘息、体液量減少症、斜視、肺炎といずれも緊急入院の症例が多くなっています。子どもやご家族の負担のバランスを考慮し、元気になったらできるだけ早めに退院して頂くことを心掛けているため、平均在院日数の短縮に繋がっています。上位5位にはあがってきませんが、腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術・臍ヘルニア手術目的の症例、成長ホルモン分泌不全性低身長症や小児食物アレルギー検査目的の短期滞在の入院症例、市内眼科クリニックと提携した術前術後管理入院症例があることも特徴です。

※厚生労働省の示す集計方法に従い、症例数が年間10例未満となる欄は「-」表示としています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 - - - - 1 8
大腸癌 - - 12 - - - 1 8,7
乳癌 - - - - - - 1 8,7
肺癌 - - - 11 - - 1 8,7
肝癌 - - - 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
わが国で、現在、最も罹患数の多い5つのがん(胃癌・大腸癌・乳癌・肺癌・肝癌)の症例数を、診断時(治療開始前)の病期(ステージ)ごとに集計したものです。①がん(原発巣)の大きさや進展度(広がり)、②所属リンパ節への転移状況、③離れた部位への転移の有無の3つの要素の評価によって病期(ステージ0~Ⅳ)を分類します。病期(ステージ)は数字が大きいほど「進行しているがん」であると表されます。0期の患者様はこの指標の対象には含まれません。
病期(ステージ)が不明の症例には、上記の①~③に一つでも不明な項目がある症例を表し、病期(ステージ)を明らかにするための検査入院の症例も含まれています。

※UICC TNM分類とは、UICC(国際対がん連合)によって定められた国際的に使用されているがんの病期を分類するための基準です。
※厚生労働省の示す集計方法に従い、症例数が年間10例未満となる欄は「-」表示としています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 10 15.50 47.40
中等症 60 19.25 *78.60
重症 25 19.60 *84.36
超重症 - - -
不明 - - -
市中肺炎とは普段の社会生活を送っている中で罹患した肺炎のことを言います。当院では「中等症」の症例が最も多く全体の58.8%を占めていますが、年齢が高くなるほど重症度も高くなる傾向にあり、平均在院日数も長くなっています(誤嚥性肺炎やCOVID-19などによるウイルス性肺炎の患者様はこの指標の対象疾患には含まれていません)。また、リウマチ科があるため、免疫抑制患者・抗癌剤使用患者の日和見感染も増えています。

※厚生労働省の示す集計方法に従い、症例数が年間10例未満となる欄は「-」表示としています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 29 40.59 *78.83 8.57
その他 - - - -
脳梗塞の症例について発症日からの日数、患者数、平均在院日数等を示したものです。
発症から3日以内の患者数は前年比+13人で、増加傾向にあります。当院では回復期リハビリテーション病棟を有しており、脳梗塞急性期治療後の回復期ハビリテーションにも一貫して対応したのち退院しているため、平均在院日数が長くなっています。転院された患者様の割合は8.57%です。充実したリハビリテーションを提供し、少しでも患者様の運動機能が回復するよう指導・訓練を行い、自立した生活を送ることができるように支援しています。また慢性期の再発予防や危険因子を持った方の再発予防にも目を向けて診療を行っています。これからも地域の医療機関との連携を密接にし、地域の皆様により親密な医療を目指します。

※厚生労働省の示す集計方法に従い、症例数が年間10例未満となる欄は「-」表示としています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K872-31 子宮内膜ポリープ切除術(電解質溶液利用) 90 1.11 1.02 0.00 41.49
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 67 1.00 6.93 0.00 49.97
K8731 子宮鏡下子宮筋腫摘出術(電解質溶液利用) 61 1.00 1.00 0.00 42.44
K872-2 腹腔鏡下子宮筋腫摘出(核出)術 31 1.00 6.87 0.00 36.97
K865-2 腹腔鏡下仙骨腟固定術 28 1.21 7.14 0.00 67.86
当院の産婦人科における手術症例は412例(前年比+31件)でした。子宮内膜ポリープ切除術や腹腔鏡下腟式子宮全摘術を筆頭に内視鏡手術(腹腔鏡手術186例、子宮鏡手術176例、卵管鏡手術9例)が90.0%と多くを占めており、低侵襲手術(身体への負担の少ない手術)である内視鏡手術を主軸とした診療を行っているのが特徴です。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 15 0.93 2.87 0.00 69.80
K7435 痔核手術(脱肛を含む)(根治手術(硬化療法を伴う)) 15 1.07 9.40 0.00 67.93
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 14 0.71 5.14 0.00 36.50
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 12 0.50 2.33 0.00 35.08
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 11 2.82 6.55 0.00 62.09
外科において手術症例は204例ある中で、手術症例数が最も多い抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置や痔核手術でも各15例と全体の7.4%となっており、取り扱う症例が多岐にわたっていることが窺えます。続いて全体症例では腹腔鏡下虫垂切除術、腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術が上位に集計されます。術式によってKコードが細分化されてしまうため今回の集計(上位5位)には反映されていませんが、胃・大腸・肺・肝胆膵領域の悪性腫瘍手術も行っています。
※Kコードとは医科診療報酬点数表で定められた手術のコードで、このコードに基づいて保険請求が行われます。
※厚生労働省の示す集計方法に従い、症例数が年間10例未満となる欄は「-」表示としています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(股) 等 103 2.41 22.43 0.00 71.29
K0461 骨折観血的手術(大腿) - - - - -
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕) 等 - - - - -
K0811 人工骨頭挿入術(股) - - - - -
K082-31 人工関節再置換術(股) - - - - -
当院の整形外科における手術症例は125例あり、変形性関節症に対する股関節の人工関節置換術が最も多く、手術症例の82.4%を占めています。次いで骨折観血的手術等となっています。当院では人工関節置換術後についてはリハビリテーション部門と密に連絡を取りつつ、個々の患者様にとって安全で効果的なリハビリテーションを院内で一貫して行っていますので、転院率は0%、術後の在院日数も長くなっています。また、令和6年8月からロボット支援人工膝関節置換術を行っており、これにより手術操作における正確性が向上し、患者様一人ひとりの膝に適した、より細やかな調節が可能になりました。
※厚生労働省の示す集計方法に従い、症例数が年間10例未満となる欄は「-」表示としています。
リウマチ科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(膝) 等 34 1.94 30.21 0.00 71.94
K0461 骨折観血的手術(大腿) 等 16 1.81 56.88 6.25 *83.81
K0811 人工骨頭挿入術(股) 11 4.82 54.09 0.00 *81.36
K0462 骨折観血的手術(前腕) 等 - - - - -
K0803 関節形成手術(指) - - - - -
リウマチ科における手術症例は86例あり、関節リウマチに対する膝関節の人工関節置換術が手術症例の39.5%を占めています。次いで骨折観血的手術、人工骨頭挿入術となっています。当院では人工関節置換術後についてはリハビリテーションまでを院内で一貫して行っており、転院率は0.00%となっています。術後は患者様の状態に応じて回復期病棟でのリハビリテーションを継続する場合もあるため在院日数が長くなっています。
また令和6年8月からロボット支援人工膝関節置換術を行っており、これにより手術操作における正確性が向上し、患者様一人ひとりの膝に適した、より細やかな調節が可能になっています。
※厚生労働省の示す集計方法に従い、症例数が年間10例未満となる欄は「-」表示としています。
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 18 1.00 0.22 0.00 *78.39
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 - - - - -
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 - - - - -
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
当院の内科における手術症例では大腸ポリープに対する内視鏡的大腸ポリープ切除術が最も多くなっています。次いで内視鏡的胆道ステント留置術・小腸結腸内視鏡的止血術・内視鏡下胃瘻造設術が上位に集計されています。

※厚生労働省の示す集計方法に従い、症例数が年間10例未満となる欄は「-」表示としています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 13 0.64
異なる 18 0.89
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 10 0.49
異なる - -
臨床上ゼロにはなりえないものの少しでも改善すべきものとして、重篤な疾患である播種性血管内凝固症候群や敗血症、その他の真菌症感染症および手術・処置等の合併症についての発症率を集計し、医療の質の向上のために公表しています。
当院では人工関節置換術を多数行っており、手術・処置等の合併症の中には人工関節置換術後の経年による人工関節のゆるみや摩耗・破損に対して再置換術を行った症例(術後10年以上経過または他施設での置換術後症例が半数以上)が含まれています。また植込型カテーテルポートの感染、処置後の出血、予防接種後の副反応などがこの項目に集計されており、ご紹介により治療を依頼された症例も含まれています。

※厚生労働省の示す集計方法に従い、症例数が年間10例未満となる欄は「-」表示としています。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
414 409 98.79%
手術後の安静臥床が肺血栓塞栓症を起こすリスクになると考えられており、リスクレベルに応じた予防対策の実施は、肺血栓塞栓症の発症率低下につながると考えられています。当院で肺血栓塞栓症リスクレベル「中」以上の手術を施行した患者様の予防対策実施率は98.79%となっています。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
707 547 77.37%
菌血症・敗血症といった重篤な感染症を診断する上で、血液培養検査は不可欠な検査です。血液培養検査は1セットのみの場合の偽陽性による過剰治療防止のため、2セット以上の採取が推奨されています。当院の血液培養検査2セット実施率は77.37%となっており、適切な感染症治療が行われていると考えます。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
229 214 93.45%
近年、新たな抗菌薬耐性菌が出現し、難治症例が増加しています。広域スペクトル抗菌薬は広範囲に効果がある反面、耐性菌を発生させやすいため、抗菌薬の適性使用が求められています。適正使用のためには抗菌薬投与前の検体採取・培養検査が必要です。当院の広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養検査実施率は93.45%となっており、適切な抗菌薬使用が行われていると考えます。また、当院では抗菌薬適正使用支援チーム(AST)を組織し、抗菌薬を適正使用していくための取り組みを実施しております。
転倒・転落発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
28872 107 0.00%
入院による生活環境の変化や、病気・けがによる体力・運動機能の低下等により、入院中に思いもよらない転倒・転落事故がおこることがあります。
特に抗凝固薬を服用していると、頭部をぶつける等した場合、重篤な症状が出現することがあり、入院中の転倒・転落を予防することがとても重要となっております。
そこで入院時に、転倒の危険度を当院の基準に基づいて評価し、必要な予防策を講じて、入院中の転倒・転落の予防に努めております。
 当院の転倒・転落発生率は、0.004%でした。
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
28872 3 0.00%
【インシデント影響度分類レベル3b以上の転倒・転落】
・レベル3b(傷害の程度:高度)
濃厚な処置や治療を要した(バイタルサインの高度変化、人工呼吸の装着、手術、入院日数の延長、骨折など)
・レベル4A(障害の程度:軽度~中等度)
永続的な障害や後遺症が残ったが、有意な機能障害や美容上の問題は伴わない
・レベル4b(障害の程度:中等度~高度)
永続的な障害や後遺症が残り、有意な機能障害や美容上の問題を伴う
・レベル5
死亡(原疾患の自然経過によるものを除く)

【退院患者に発生したインシデント影響度分類レベル3b以上の転倒・転落の発生件数の内訳】
・24年6月~24年9月 レベル3b 1件
・24年10月~24年12月 レベル3b 1件
・25年1月~25年3月 0件
・25年4月~25年5月 レベル3b 1件
当院の転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率は、0.0001%でした。 
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率ファイルをダウンロード
全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
292 111 38.01%
・抗菌薬の予防投与とは
SSI(手術部位感染)予防を目的として、手術開始前に抗菌薬を投与することを予防投与といい、多くの手術でその有用性が証明されています。
特に、手術が始まる1時間以内に投与することが最も効果的に感染を防ぐことが分かっています。
開胸、開腹を伴う手術等は、手術開始直前に抗菌薬を点滴などで投与することにより、手術後の感染を抑えることが期待されています。
手術部位を無菌化することが目的ではなく、手術中に曝露する細菌の量を患者の免疫のはたらきでコントロール可能なレベルまで減らすため、補助的に行われます。
d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
31569 43 0.14%
褥瘡は早期に適切な介入を行うことで、悪化を防ぎ治癒を促進できます。
当院では、褥瘡対策チームを設置し、褥瘡ケアは医師が医学的判断を行い、看護師及び特定行為研修修了看護師が創部の状態やADLを観察、栄養士が栄養状態を管理し、薬剤師が薬剤の影響を評価するなど、各職種がそれぞれの専門性を活かして連携しております。

 当院のd2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率は、0.14%でした。
当院では、早期介入をして褥瘡発生予防対策を実施し、発生率減少に取り組んでいます。
65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合ファイルをダウンロード
65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
1205 1178 97.76%
・栄養アセスメントとは
栄養状態を評価し、低栄養や過栄養、その他の栄養学的問題点を特定するために行う、身体測定・生化学検査・食事摂取状況・臨床診査などを総合的に評価・判定することです。
【主な目的】
・栄養障害の特定と予防
・栄養ケア計画の立案
・健康状態の維持・改善
当院の65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合は、97.76%でした。
身体的拘束の実施率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
28872 2561 8.87%
【身体的拘束の定義】
本人の行動の自由を制限することを指し、具体的には以下のような行為が含まれます。
・体幹や手足をひもなどで縛ること
・ベッドを柵で囲むこと
・拘束帯やベルトを使って身体を車いすに固定すること
・向精神薬を過剰に服用させること
・居室に隔離すること
【身体拘束適正化に向けた体制】
身体拘束最小化チームの設置
<業務内容>
・身体的拘束の実施状況を把握し、管理者を含む職員に定期的に周知徹底する
・身体的拘束を最小化するための指針を作成し、職員に周知し活用する
・入院患者に係わる職員を対象として、身体的拘束の最小化に関する研修を定期的に行う

当院の身体的拘束の実施率は、8.87%でした。
更新履歴
2025.9.29
厚生労働省の示す集計方法に従い、令和6年度病院指標を公開しました。