おとなの予防接種外来

おとなの予防接種外来

お知らせ

対象疾患と診療

<破傷風>
主な対象者:1968年以前の生まれの方、および土に触れたり野外で怪我をする機会の多い方。
特徴:土壌中に広く存在する破傷風菌の出す神経毒素により、強直性痙攣をひき起こし、死に至ることもある。
該当ワクチン:破傷風トキソイド、3種混合

<百日咳>
主な対象者:破傷風トキソイド、またはそれを含む混合ワクチンを接種して10年以上経過している方。
特徴:月単位の長期にわたってしつこい咳が持続する。免疫の十分でない乳児が罹患した場合は、特に重症化する危険性がある。近年ではおとなでも広がっている。
該当ワクチン:3種混


<日本脳炎>
主な対象者:蚊によって媒介され、意識障害や麻痺等の神経系の障害を引き起こして、後遺症を残すほか、死に至ることもある。
特徴:概ね1980年以前の生まれの方、および北海道で小児期を過ごした方。
該当ワクチン:日本脳炎

<ポリオ>
主な対象者:1975-1977年生まれの方。
特徴:口から侵入したウイルスが腸管を介して脊髄の一部に入り込み、主に手や足に麻痺が出現、その麻痺が一生残ることもある。
該当ワクチン:不活化ポリオ

<麻しん>
主な対象者:1990年4月1日以前の生まれの方、および2回の接種記録を確認できない方。
特徴:高熱と発疹を特徴として感染力が強い。肺炎や中耳炎、時には脳炎等の合併症を引き起こし、死に至ることもある。
該当ワクチン:麻しん風しん混合、麻しん

<風しん>
主な対象者:1962-1990年生まれの方、特に1962-1979年生まれの男性、および2回の接種記録を確認できない方。
特徴:高熱、発疹、リンパ節腫大等を特徴とする。妊婦が感染すると、胎児に重大な影響を及ぼすことがある。
該当ワクチン:麻しん風しん混合、麻しん

<おたふくかぜ>
主な対象者:2回の接種歴、もしくはかかったことが確実ではない方。
特徴:ほほ(耳下腺)のほか、膵臓、精巣、卵巣等も腫れて、その機能に影響を及ぼす。難聴や男性不妊等の後遺症をもたらすこともある。
該当ワクチン:おたふくかぜ

<水ぼうそう・帯状疱疹>
主な対象者:50歳以上の方。
特徴:水ぼうそうは発熱や水疱を特徴とする。一度入り込んだウイルスは一生涯体内に残り、免疫力が低下すると帯状疱疹の形で再活性化して、神経痛に悩まされることも少なくない。
該当ワクチン:水痘

<肺炎球菌>
主な対象者:「風邪をこじらせる」形での肺炎の主な原因。
特徴:主に65歳以上の方。
該当ワクチン:23価肺炎球菌、小児用肺炎球菌

<B型肝炎>
主な対象者:接種歴のない方、もしくは接種したが免疫がつかなかった方。
特徴:主に血液等の体液を介したウイルス感染症。肝炎から肝硬変、肝癌へと発展していく可能性がある。
該当ワクチン:B型肝炎

<インフルエンザ>
主な対象者:おとな全員。
特徴:高熱と全身倦怠感が特徴で、強い感染力と短い潜伏期間により瞬く間に大きな流行になる。肺炎や脳症を引き起こし、特に高齢者や基礎疾患のある者で重症化することがある。
該当ワクチン:インフルエンザ

 

特徴と方針

【こどもではなくおとなが標的に】
30-40歳代のおとなが中心だったことが特徴的でした。一昔前はこどもの病気と思われていた麻しんですが、2000年代に入って予防接種の実施、さらには2回の接種が徹底され免疫がより強化されるようになった結果、こども達はウイルスの主なターゲットではなくなりました。代わりに、こどもの頃にかかったことがなく、またその時代その時代の予防接種制度との兼ね合いで免疫が不十分であったり弱まってきてしまったりしたおとな達が、ウイルスから狙われることになってしまいました。

 
おとなも予防接種を受けましょう!
おとなになってから予防接種を受けるなんて、と思われている方々は、対象疾患と診療をご覧ください。今さら予防接種を受けなくても、何事もなく過ごしていける方がほとんどでしょう。でも、「ほとんど」であって、「全員」ではありません。少数ではありますが、毎年一定の数、「予防接種で防げる病気」で大変な目に遭っている方々がおられます。病気にかかってからの後悔はもったいない、防ぐための予防接種はいつでも誰でも受けることができるのです。

 
おとなの予防接種外来(下)
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